ニキビを治す漢方薬 桃核承気湯

ニキビは思春期だけではなく、大人にもできます。ニキビができる原因は、年齢や性別、体質、生活週間などによって様々ですが、大人ニキビの場合は特に、生活習慣や体の内面からの改善が必要となってきます。体の内面を改善させるには漢方が効果的ですが、ニキビを治すための漢方薬として桃核承気湯(とうかくじょうきとう)があります。

桃核承気湯は、便通が悪かったり、顔にほてりがあったり、月経不順などの症状がある人が飲むと効果的だとされています。便通が悪かったり、ホルモンバランスが崩れて月経不順が起こっている方、血行不良などはニキビの原因となります。

桃核承気湯の効果は多岐にわたります。例えば、便秘や肩こり、月経不順、痔、急性大腸炎などに効果があるとされます。桃核承気湯は桃仁、大黄、桂枝・桂皮、芒硝、炙甘草によって構成されています。なお、子宮を収縮する作用があるとされておりますので、妊娠している女性は飲まないようにとされています。

桃核承気湯の飲み方ですが、基本的には、胃に食べ物が入っていない状態に飲むこととされています。しかしながら、症状によっては、異なる飲み方が指示されることもあります。例えば、胃が荒れやすい人の場合には、ごはんを食べた後に飲むと効果的とされています。桃核承気湯の副作用として、胃の不快感や吐き気、食欲不振、下痢などが報告されています。また、漢方は体質によっては合わない場合がありますので、体に不調が出た場合には服用を中止し、医師等に相談する必要があります。

ニキビに多い気滞タイプの特徴

気の流れが体内でうまく巡らずに滞っている状態を漢方医学では「気滞(きたい)」と呼んでいます。ストレスや運動不足などが原因とされています。

ニキビが出やすいタイプの人はこの気滞状態の方が多かったりします。日々のストレスが溜まるとニキビが出来てしまうという人は気滞になりやすいタイプなのかもしれません。また女性の場合は月経前と排卵期に自律神経のコントロールがおかしくなって気滞になるというケースも多いようです。

気滞の症状として食欲があるのにあまりすぐお腹がいっぱいになってしまったり、ガスやゲップが出たりします。また、ストレスに弱くなっているのでますます気の巡りが悪くなり気滞が悪化してしまう事もあります。

気滞を改善する漢方としては「加味逍遥散(かみしょうようさん)」「香蘇散(こうそさん)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などが挙げられます。

どれも気をスムーズに巡らせるようにするための漢方薬です。加味逍遥散は冷え性や月経不順、更年期障害に効果があります。香蘇散は胃腸の働きを良くする他、頭痛や蕁麻疹にも用いられます。柴胡加竜骨牡蛎湯は精神を安定させる働きをします。高血圧や神経症などに用いられます。

ストレスによって起こりやすくなる状態なので意識的にリラックスを心がけるようにしましょう。毎日のちょっとした空いた時間に軽くストレッチなど運動をしてみてはいかがでしょうか。深呼吸をするのも効果的です。また、大声で歌うという事も腹筋を使うので深呼吸と同じような効果があります。

漢方の値段は高い?

漢方薬は、副作用も少なく安全性の高い薬として東洋医学の中で推奨され古来より使用されてきました。

一般病院で処方されるというより専門店などで購入する手段が多く取られています。漢方薬専門店では、症状、現在抱えている他の持病やこれまでの既往症などの問診を丁寧に行って様々な組合せでブレンドしてくれる所が多く見受けられます。

長い間、病院に通院していても良くなっているという実感が少ない場合や、持病がなくても健康のために購入される方が多いです。漢方薬に興味を持って、これから試してみようという方もいらっしゃるでしょう。

漢方薬を誰でも簡単に続けられないワケには、薬となるために使用する原材料が高価ということと、保険が利かないものが多いため値段が高くなることが理由として挙げられます。

また、効果に即効性があるものより、長期的に使用し続けて効果が浸透して行くものが多いため、一度の処方の代金の値段が高くなる漢方薬は、なかなか続けることが経済的に無理が出る場合があります。

漢方薬専門店で症状にあったものを選んでもらう時に、どのくらいの期間で効果が出るのかということや値段の面でも事細かに相談して行くことと、副作用が出るとしたらどういう症状になるのか聞いてから決めていくのがベストです。

病院でも保険適用の漢方薬を処方してくれる場合があります。通院されている方は、西洋医学に東洋医学をプラスすることが自分の症状に対して効果的なのかどうか、薬の飲み合わせなども医師と良く相談して決めるのが良いです。

漢方の気・血・水って?

漢方では、人間の身体をつくっている要素は、気・血・水だと考えられています。気・血・水はお互い、影響しあい、バランスをとっています。

気・血・水のすべてが身体の中をスムーズに流れている状態が、とても良い状態です。漢方では体調を崩した時は、この気・血・水のバランスが乱れていると考え、流れを正常に戻そうとします。

気が不足している場合は、気力の減退がして何もやる気が起こらなくなったり、身体がだるかったり、疲労感がひどかったりします。食欲不振であることもあります。原因は過労や睡眠不足などです。気の流れが悪い場合は、イライラしたりして自律神経が乱れやすくなります。そのため、肌荒れや肩こり、頭痛などが起こります。精神的なストレスが原因であることが多いです。

血の流れが悪い状態である場合は、ニキビや吹き出物、肩こり、便秘、生理痛などの症状が起こります。原因は冷え性、過労、運動不足などです。血が不足している場合は、貧血、肌が乾燥したり、生理が不順になったり、不眠になったりします。冷えなどで新陳代謝が低下していることが原因です。

水の流れが上手くいかない場合は、むくみやめまい、頭痛、下痢、胃のもたれなどがあります。身体の中に入った水分の処理が、きれいにできていない場合に起こる症状です。

このように、漢方では、気・血・水はとても大切なものです。人間の身体の基本的な構成になるので、この気・血・水を基本として診断などがされるのです。

ニキビに多い瘀血タイプの特徴

漢方ではニキビが多い女性の多くが瘀血(おけつ)タイプであると言われています。瘀血とは体に流れる血液の流れが滞りがちになったり、ドロドロで流れが悪くなっている状態のことを指し、あらゆる病気の元となるとも言われています。

ニキビとは体にある毒素が肌に現れる症状であると考えられているため、漢方で体質改善を行うのが効果的な治療法です。

瘀血タイプの特徴は血行が悪くて体が冷えやすいことが挙げられます。それにより顔色が悪かったり肩や首筋などが強張るなどの特徴が表れます。また、女性の場合は毎月訪れ生理のときに瘀血チェックを行うのがおすすめです。

経血を見て色が黒い時や、血の塊があるような場合は要注意です。最近のナプキンは吸収性が高くてなかなか確認が出来ないケースもありますが、トイレを利用した時や布ナプキンを利用するなどして毎月血液の状態に気を配ると良いでしょう。

漢方では活血化瘀(かっけつかお)といって瘀血を改善させる効果を持つ生薬が沢山あるため、ニキビの症状が気になるときは漢方薬局などを訪れて自分に合った生薬を調合してもらうと良いでしょう。

漢方に頼りすぎるのではなく、毎日の生活習慣を見直すことも重要です。運動や食事などを積極的に行うことも大切です。漢方はあくまでも体質を整えて未病を防ぐことを目的としているため、過信をしすぎずに、また即効性を求めてしまうのは厳禁です。自分の体質を徐々に改善して瘀血を良くする気持ちで日々を過ごしましょう。

ニキビに多い陰虚タイプの特徴

漢方の陰虚タイプは、ニキビができやすい人に多いタイプです。この陰虚タイプの特徴には色々なものがあります。

かさかさとした皮膚ですし、髪も乾燥しています。痩せた身体つきをしています。くすんだ顔色ですが、赤っぽい顔の人です。目や鼻が乾燥しやすいことが特徴で、唇もひび割れを起こすことがとても多いです。声はかすれていて、空咳をします。便秘気味で、水分はしっかりととっているのに、トイレは遠いです。熱っぽく感じることが多く、とくに夕方から夜にかけて感じるようになります。寝汗をよくかいたり、不眠症になったりもします。
動悸が激しくなったり、落ち着きがなかったり、めまいや耳鳴りがよく起こることも陰虚タイプの特徴です。腰が痛くなったり、足がだるくなったりすることもあります。持久力がなく、夜型の生活になっていることが多いです。
また、特徴として、舌の表面をおおう苔がほとんどないこともあります。舌の色はくすんでいて、厚みも薄いです。脈は速いですが、弱々しくて力がありません。

漢方では、陰虚タイプの人は不眠症や健忘症、自律神経失調症、神経症などになりやすいとされています。その他、めまいや耳鳴り、便秘、ニキビなどがあります。

陰虚タイプの人は水を身体の中で循環させることが大切です。適度な運動を行い、新陳代謝をよくするようにすると、水が身体の中をきれいに流れてくれます。
このように、漢方の陰虚タイプの特徴には色々なものがあります。

漢方薬と西洋薬の違いと副作用について

薬は何らかの効能を求めて服用するものですが、このさいに目的とする効能のほかに目的としない効能が現れる場合があります。この目的としない効能のことを一般には副作用といいます。

副作用は、時として重大な健康障害をもたらす恐れがありますが、このうち副作用が少ないと言われるのが漢方薬です。

一方で西洋薬も治験を繰り返して副作用が出ないようにしていますが、それでも時として思わぬ健康障害が出る場合があります。この漢方薬と西洋薬の違いは、ひとつに効能を出すために考え方が異なるためです。

西洋薬の場合には有効成分が単一であり、ひとつの効能に対して極めて効果的にその能力を発揮します。そのためピンポイントで感染症の菌やウイルスを殺したり、熱や痛みをとったり、血圧を下げるなどといったひとつの症状や病気に対して高い能力を発揮します。

ただし、高い能力があるがゆえに、体質に合わない場合には身体に過剰な負担を掛けるため、健康障害に繋がる恐れがあります。また薬の飲み合わせによっては、まったく別の効能が合わられるため注意が必要になります。

一方で漢方薬では生薬と呼ばれる原料を組み合わせて薬とするものです。生薬には多くの有効成分が含まれており、広範囲に能力を発揮します。そのため効果が現れるまでに時間が掛かる傾向にありますが、身体への負担が少ない特徴があります。もちろん副作用が起こる可能性はゼロではなくアレルギーや飲み合わせによって重篤な副作用が発生する場合もあります。

漢方薬のニキビへの効果

ニキビの悩みを抱える方は若い人だけではありません。
大人になってもしつこいニキビや吹き出物に悩まされる方はたいへん増えています。
しかも大人になってできる吹き出物はなかなか治りにくく跡になりやすいという問題点もあります。

大人のニキビの原因には様々なものがありますが、中でも仕事や人間関係でのストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れ、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み合ってこうした吹き出物として表面に出てきてしまっているのです。

西洋医学ではこうした吹き出物が起きた際には皮膚そのものに原因があると考えて皮膚科に行きますが、実は東洋医学や漢方のの考え方は違います。
肌表面に現れた吹き出物は、体の中の異変や不調の象徴だと考えて、体全体から改善して効果を出していこうとするのです。

確かに若い頃の吹き出物は皮脂の分泌が活発なために起こるものですが、大人の吹き出物はそうした単純な理由ではなく体の中に原因があるものです。
漢方などを使って体質改善したり、体の中から不調をケアして行くことで、吹き出物の解消に効果を発揮していくのです。

漢方は数え切れないほど種類があり、誰かにその処方がぴったりとあって吹き出物が解消されたからといって、ほかの人にもそれが合うとは限りません。

じっくり腰を据えて自分に効果を発揮する漢方を探していくことで、体の内側からニキビを改善することができるのです。
漢方はニキビだけでなくほかの体の不調が同時に解消されることもある奥深いものなのです。

漢方の歴史

自然にから生み出される植物などを活用して人の体を治療する「漢方」は、非常に長く、ユニークな歴史を有しています。

そもそもこと日本において医学のはじまりとなったのは、古代中国で創始された「中国医学」です。
この中国医学は5~6世紀ごろに日本に伝わってくることとなりますが、中国医学と現代日本において活用されている漢方は全く異なるものです。

平安時代ごろに中国医学をベースとしつつも日本の独自性を追求した医学書が編纂され、鎌倉時代以降にはそうした動きがさらに活発化され、民衆にも広がっていたことが確認できます。

そうした中、現代における漢方のベースが出来たのは江戸時代のことでした。

中国医学の歴史において特に重要であった「陰陽五行説」と呼ばれる説を完全に撤廃した新たな医学が、山脇東洋と吉益東洞という二人の医師によって創始され、山脇東洋は実践的・科学的な手法から、吉益東洞は「万病一毒論」という思想から、それまでの中国医学とは異なる方面による医学へのアプローチを始めたのです。

その後にはオランダから伝わる「蘭学」を応用した思想を提唱する本間棗軒、華岡青州ら二人の医師が日本医学をさらに高みへと昇華させ、1800年代中ごろにようやく、浅田宗伯という医師が「漢方」を確立させ、今日まで保存される基盤を形成しました。

その後西洋医学が伝来したことによって一時漢方は衰退を見せますが、人の治癒力を根本的に向上させる漢方の思想は、現代において大きく再評価されることとなりました。

今日、わたしたちが使う漢方にはこのような長い歴史があったのです。

漢方の特長

漢方薬は西洋医学と対をなす、東洋医学の観念から利用されているものです。古代中国の文献をもとにして、複数の生薬を混ぜ合わせて作られます。

大きな特長としては、西洋薬よりも副作用が少ないという点があります。西洋薬は化学的に合成された人工薬であるため、病気に対する効果は強力なものの、副作用がでやすいというデメリットを持ち合わせています。

一方の漢方薬だと、それぞれ特長のある生薬を複数混ぜ合わせて作られますので、病気に対してだけでなく、副作用の症状にまで働きかけて抑えてくれるというよさがあります。

また、西洋薬とは違い、薬だけに頼らない力を持っていることも、注目すべき特長です。
漢方薬は身体の不調に働きかけてくれますが、同時に本来人が持つ、自然治癒力を高める効果を期待できる存在でもあります。そのために薬としての効果はとても緩やかで、負担をかけずに、健康な身体へと導いてくれるサポート的な役割を備えています。

病院にかかるほどではない、身体の不調にも使えるのが漢方薬のよさです。

例えば女性に多い冷え症は、病院で治療を行うという話が殆ど聞かれません。原因がはっきりしないがゆえに悩む人が大勢存在しますが、身体の冷えは東洋医学の世界では治療の対象になります。

貧血やホルモンバランスの崩れなど自律神経の乱れが冷え症に関係しているとされ、この症状に対応する漢方薬が用意されています。

漢方薬は西洋医学では対応できない症状を緩和させるために、病院でも利用されることの多い、信頼のおける存在です。